作品ギャラリー最終更新 2024年9月25日

真夏に野外スケッチはできる? 熱中症リスクを回避する7つのポイントを紹介

影をうまく活用する、夕方以降にスケッチする、短時間でラフに描くといった方法で熱中症のリスクをできるだけ減らすのが夏の野外スケッチのコツです。

この記事を描いている今、東京は35度の猛暑が続いております。

そんなわけで夏のスケッチはお休みしますと宣言したものの。実際のところ何度かスケッチしています。

趣味のスケッチを突然何ヶ月も休むというのは、やはりつまらないですよね。

ではどんな点に気をつければ夏の野外スケッチは可能なのか。私自身の経験を元にご紹介したいと思います

決して夏の野外スケッチを推奨するものではありません。体調や体力は個々人により違いがあります。自己責任にてお願いいたします。

目次

真夏の野外スケッチにおける問題点

朦朧としてからではもう遅い。

まずはリスクについて、確認しておきましょう。夏場の野外スケッチでは主にこの3つの問題があると考えています。

  • 熱中症になるリスクが高い
  • 体力の消耗が激しい
  • 集中力、根気が続かない

熱中症になるリスクが高い

夏スケッチ最大のリスクは、言うまでもなく熱中症です。

特に夏の暑さになれていない時期が怖いです。私自身もスケッチ中に「ちょっとまずいかな…」と異変を感じたのは、5月の初夏、真夏の暑さになれてない7月でした。

在宅の仕事をしているなどで、普段日の出ている時間帯表に出る習慣のない人もやられやすい気がします。

少しでも気分が怪しくなってきたら、中断して涼しい場所へ移動しましょう。

体力の消耗が激しい

気温が高い環境でスケッチしていると疲れやすくなります。

他の季節なら1時間描き続けても平気なのに。夏は暑さとジメジメでラフスケッチ2枚を描くのが精一杯。帰宅後にそのまま寝落ちしたこともありました。

夏に時間をかけた大作を描くのは難しいです。

交通費をかけて遠くまでスケッチに出かける場合、コスパという意味でも夏はスケッチ向きではの季節ではないなと感じます

集中力、根気が続かない

奪われるのは体力だけではありません。暑さと湿度によって、集中力と根気もガタ落ちになります。

集中力がなくなると、野外スケッチになれているはずの中級者でもつまらないボンミスを連発してしまうことも。

いつもなら耐えられる細かい葉の描き込みも、夏は根気不足ですぐ投げ出したくなります。

夏の野外スケッチは、環境リスクによって自分の実力を100%発揮できない、というハンデを負った状態で行うことになります。

そのようなわけで、夏は個展用など気合を入れた作品を描く時期ではないと個人的には考えています。

夏に外でスケッチをする際のポイント

ではリスクを踏まえた上で、できるだけ安全にスケッチするポイントを見てみましょう。

すべてを実践するのは難しいと思います。自分の生活スタイル等にあわせて、実践できそうなものに取り組んでみてください。

  • 短時間で仕上げる「ラフスケッチ」を基本に
  • 日陰で描けることを優先する
  • まめな水分・カロリー補給
  • 疲れを覚えたら撤退する勇気を
  • 涼しい18時以降にスケッチ
  • 夜に夏の生き物をスケッチ
  • 高台からスケッチ(室内)

短時間で仕上げる「ラフスケッチ」を基本に

普段一枚のスケッチにどれくらいの時間をかけていますか?

夏場の野外スケッチでは、いつもの半分以下の時間を目安に手早く描き上げるのがおすすめ。いくら日陰で描いていても、高温と湿度(最近はゲリラ豪雨続きで夏でも高め)による体力消耗はさけられないからです。

あともう一箇所描ける余力を残すため。夏バテせずにこの夏を乗り切るため。作業時間は短いに越したことはありません。短ければ短いほどいいです。

これもサクッと15分で描いた一枚。普段よりかなり省略した表現にして、時間短縮を図っています

むしろその場のリアルな感じを捉えるには短時間で描き上げたほうがいいことも。

短時間で描くラフスケッチの経験がない方は、こういった時短で仕上げるコツを集めた教本が参考になると思います。

旅スケッチに興味がある人は必読。現地で手早く仕上げるテクニックを教えてくれます。
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日陰で描けることを優先する

普段のスケッチでは、一番モチーフが映える構図を考えて自分の立ち位置を決めるかと思います。

でも夏だけは別。近くの日陰から見た構図でうまいこと絵にできないか、と日陰で描けることを最優先で考えます。

自分の身をなんとか隠せる日陰(最低でも半身くらい)は、周囲を見回すと案外見つかるもの。木の下、柱の影、植え込みの影などです。

以下のスケッチも影に立って描いたものです。時刻は15時でまだまだ暑い時間帯。とても日なたでは描けません。

諦めきれず、近くにある日陰から描けないだろうか?と実際立ってみて確認。そのうち一箇所から見た風景がなんとか絵になりそうだったのでスケッチしてみました。

夏は祭りのワンシーンを描くのも楽しい。

正直なところ。もう数歩横から描いた方が絵になるなとは思いましたが、そこはグッと堪えて安全第一。

まめな水分・カロリー補給

スケッチへ夢中になると忘れがちなのが、水分・カロリー補給といった小休憩。

サクッと15分で仕上げるつもりが、30分経ってもまだ終わらないなんてことよくありますよね。少し長引いてるなと感じたら、いったん手を止めて水を飲みましょう。

また作業で消耗した体力を埋め合わせる意味で、30分程度を目安にひと口ふた口なにか口にするのがおすすめ。

小さめのクッキーやナッツ、ドライフルーツなど。小袋に入れてポケットに忍ばせておくと、すぐ取り出せて便利です。

スケッチ終了後も、同じように補給休憩を取りましょう。

疲れを覚えたら撤退する勇気を

夏スケッチでは時に描きかけの作品をあきらめて、撤退を決行する自制心が不可欠。

「疲れたけど、せっかく出かけてきたんだし……」と行動の元手をとろうとする考え方は非常に危険です。

少しでも疲れてきたら、撤退を考えましょう。

熱中症は最悪一生寝たきりになるリスクもあります。元気であれば、またこれからの夏も来年の夏も描くことができます。

この撤退する勇気をもてない場合、夏の野外スケッチはやめて秋を待った方が無難だと思います。

涼しい18時以降にスケッチ

都庁前の広場も19時半頃まではスケッチ可能でした。

日々の天気予報を見ていると、おおむね18時頃から気温が下がって涼しくなるようです。

夏は日が長いので少なくとも19時まではスケッチが可能

18時に現地へ着くように家を出ても、1時間はスケッチ時間を確保できるわけです。

この一時間のためにわざわざ外出するのはちょっと……という方は、なにか用事をすませた帰り道でもいいと思います。

仕事で街に出ている方は、通勤帰りにスケッチを楽しむには最適の時期。ビル街など照明が多い場所であれば、20時頃まで描けるところも。

夜に夏の生き物をスケッチ

大きな公園が近所にある、緑が多い場所に住んでいるという方はライトを持って夜間のスケッチも楽しめます。

虫が苦手な方はごめんなさい。ここ、読み飛ばしてください

両手を開けておきたい場合は、ヘッドライトやクリップ式のライトで頭や腰にライトを装着すると便利

特に山用・アウトドア用のものは軽量小型で扱いやすいです。私も山にハマってた頃買ったものを使ってます。

街灯の下を散歩してみると、自然の厳しさあり、思いがけない生き物のユーモラスな一面ありと発見が多いです。

夏の夜は宝物さがしのような冒険気分が楽しいです。

出会えてラッキー!と個人的に思う生き物はウンモンスズメ。もふもふのボディや触覚、芸術的な紋様が魅力的。

名前がわからないときは、スマホのGoogleレンズを使うとすぐわかります。

高台からスケッチ(室内)

日比谷の映画館にて。上映帰りにロビーからスケッチ。

暑いなら室内でスケッチすればいいーー。

それが最適解とはわかっているものの、日本ではスケッチ可の美術館・博物館は海外ほど多くはないのが実情。

けれども、室内でゆっくりスケッチできる場所があるんです。

それは展望台、タワーといった高台。それから、高層階にあるお店を利用する際にもチャンスがあります。

練馬区役所内の展望ロビーのレストランにて。カフェついでにスケッチを楽しみました。

夏のスケッチは腕鳴らし程度に。本腰を入れるのは秋になってから

私にとっての夏スケッチは、秋が来るまでのつなぎ、といった位置づけです。

作品を作るなど本腰を入れることはありません。本気で夏と向き合えば、今の温暖化の環境では熱中症を避けられないからです。

外で描きたいという気持ちも満足させられて、腕が鈍らない程度にスケッチの実践ができる。

夏スケッチはこのふたつだけで十分ではないでしょうか。

スケッチの本番は夏の次にやってくる秋。

夏の間は体調を崩すような無理をせず、来るべき季節を待ちましょう。

無理に外出せずとも。他のスケッチャーの作品を研究したり、教本や動画で技法の研究をするという過ごし方もあります。

むしろ秋になればスケッチで外出する機会が増えるので、じっくり勉強できるのは今だけかもしれません。

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