スケッチスポットについて
都立光が丘公園の南側に面する桜並木です。旧・練馬光が丘病院、光が丘清掃工場のある通りに当たります。
この桜並木の上には、ふたご橋、ひびき橋という2本の橋がかかっています。橋の上に立つと桜と人の目線が近くなり、下の通りから見上げるよりも華やかな眺めを楽しめます。
スケッチの動機
少しお年を召した桜たち。近年は根本からの伐採も多く、並木道としても衰えが見え始めている今日この頃。
毎年当たり前に見ていたこの景色も、数年後には大きく変わってしまうかもしれない。ふとそんなことを思い、今のうちに描いてみることにしました。
スケッチのポイント
難易度:★★★★★
A5サイズであれば、細線が描ける万年筆やミリペン推奨。TWSBIなど太めのものを使うなら、A4程度の紙を用意したい。細かい描写が続き、描き上げるには根気が必要。
スケッチする際の立ち位置:並木道にかかる、2本の橋いずれかの上からのスケッチがおすすめ。今回のスケッチもひびき橋から西の清掃工場方面を見て描いた。
人の目:人目は多い。開花中、橋の上では切れ間なく人が行き交い、描いているすぐ隣りで人が写真を撮っているといった状況が続く。
興味深い点
あまりにたくさんの花が咲いてるため、最初はどうやって描いたらいいのか迷う。それでも描き続けるうちに、自分なりの桜の描き方パターンが見えてくるから不思議。
注意したい点
描き込みが多いため、インク容量が少ない万年筆は残量に要注意。
食料調達難易度:★★
スケッチ場所からすぐ行ける距離にはない。もっとも、人通りが多い橋の上で食べるつもりの人はいないと思う。
5分歩いて公園内の売店(パークス)またはカフェ(われもこう)へ移動するか、
あるいは、10分歩いて光が丘IMAへ出るかのいずれかになると思う。
あらかじめ食べるものを持参して、光が丘公園で花見ついでのランチも楽しい。
大江戸線から来るなら、光が丘IMAの地下にある崎陽軒の弁当もおすすめ。
今回のスケッチの感想
桜並木の行く末が気になる
桜並木の老化に気づいたのは昨年の春のこと。
このような内容の張り紙をつけた桜が数本現れました。よその街ではこんなやさしいお知らせを見たことがなくて、今でも印象に残っています。
今それらの桜があった場所はアスファルトで埋められ、ガードレールが設置されています。新しい木が植えられることはありませんでした。そこだけ、桜並木が歯抜けになっています。
並木道を歩いて見上げてみれば、痛々しい切り方をされている木がずいぶんあります。中にはほとんどの枝を切り落とされて、なんとか枝一本残しているだけのものも。
ソメイヨシノは病気に弱く、寿命は50~60年ほどと聞きます。
この桜たちが公園のオープン時に植えられたのだとすれば、もう40歳超え。寿命を考えれば、あちこちガタが来ていてもおかしくはないお年頃。
このままだと、私が寿命を迎えるより先に桜並木が消えてしまうのでは……?
桜並木を再生するつもりなのか(きっと費用や管理の問題で揉めそうな予感)。それとも無機質な道路にしてしまうのか。
公園の東側など、老いた桜並木は他にもまだあります。桜並木の行く末を気にしながらのスケッチでした。
満開時期は長雨という不運
今年の桜シーズンは、雨、雨……これまた雨、と雨続きの天気。
スケッチの数日前。実は夜遅く雨が上がったあと、ウォーキングがてらこの桜並木を歩いてみたんです。
人がまったくいない通りで、花をたわわにつけた桜たちが静かに風へ揺れていました。でもこの最盛期の美しさを多くの人が見ることはありません。また次の雨が近づいていました。
一年間がんばった末に花を咲かせたのに、見てもらえないだなんて。なんてもったいないのだろう?
桜的にもがっかりしているのでしょうか。それとも、「来年もあるさ」と前向きにとらえているのかな。
スケッチの経過
この写真は、完成イメージが見えてきた時点で撮ったもの。
あれ……? なんだか完成作より、こっちのほうがすっきりしていいような……?
描くことに夢中になると視野が狭くなってしまい、作品全体のバランスに気が回らなくなります。結果、描き込みすぎ、絵が重すぎという結末に。
今回のように描き込みがいのある作品は勢いがつくと止まらなくなるので、要注意ですね。
アクセス
住所:東京都練馬区光が丘4丁目1−1(※スケッチした、ひびき橋のある位置)
交通:都営大江戸線光が丘駅 徒歩10分
スケッチ可能な時間帯:24時間
一緒に回れるスケッチスポット
四季の香りローズガーデン
桜が散り始める頃になると、庭園のチューリップが咲きそろってきます。
ちょうどイースター用の飾り付けもされているので、写真に撮っておうちスケッチも(※飾りの前は人が多いためスケッチは困難)。
光が丘清掃工場の煙突
桜並木にかかる、ふたご橋。光が丘IMAと光が丘公園をつなぐこの橋のすぐそばに、光が丘のシンボル:清掃工場の煙突があります。
この煙突、白亜の灯台風のデザインでとても絵になるんです。光が丘来訪記念に、ぜひ煙突入りのスケッチを。
※以前と同じ位置、ほぼ同じデザインで2021年に再建されています。
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