作品ギャラリー最終更新 2024年9月25日

冬の野外スケッチは諦めるしかない? やるなら完全防備で終わったあとは体を温めよう

野外スケッチしていると、ふと寒気を覚えることが多くなってくる11月半ば。イチョウも散り始めて冬の始まりを感じます。

真夏の暑さもつらかったけれど。骨身にしみるような寒さもまたつらい。冬には冬の苦労があります。

凍える寒さの中でも野外スケッチするなら、防風に注意した服装で挑む、指先だけ外せる手袋を用意する、退避用のカフェを事前に見つけておく、といった工夫が必要です。

それでも寒さに耐えられる時間には限界があります。無理のない範囲で楽しみましょう。

冬でも野外スケッチは可能です。ただし十分注意しないと風邪をひくので、マニア以外にはおすすめできない部分があります。体調に気をつけながら自己責任にてお試しください。

目次

防寒対策なしの野外スケッチはいつまで?

実を言えば。私が風景画スケッチをスタートしたのも、冬の始まりでした。

終わったあとは足がカチンコチンに固まっていて、半ば駆け足で体を温めながら帰ったものです。

冬スケッチには凍えた思い出が付きまとう^^;

正直、あまり人におすすめできるものではないですね^^; 風邪をひきたくない人は、大人しく春まで待ったほうがいいと思います。はい。

東京だったら、無対策で野外スケッチできるのは12月上旬までではないかと思います(私みたいに遅筆ではなく、5分で早描きできるような方だともう少し粘れるかも…)

11月でも日によっては気温が10度に近づきます。その日の風と気温を確認した上で出かけないと危ないです。

風速が1m上がるごとに、体感温度は一度下がります。風の強さによっては体感温度が気温以下になることもありえます。

たとえば気温15度の日の場合。もし風速が3mであれば体感温度は15-3=12度となります。

秋の終わりになれば、天気予報のチェックは必須ですね。

冬スケッチに出かける服装のポイント

防寒準備万端でスケッチにでかけよう。

もし私みたいに「春なんて待てない! 今描きたいんだ!」という方へのアドバイスです。

  • 指先だけはずせる、ミトンタイプの手袋を用意
  • 防寒よりも防風に重きを置く
  • 厚着のしすぎで汗をかかないよう注意

指先だけはずせる、ミトンタイプの手袋を用意

子供の頃。雪遊びに便利な、指先だけ外せるミトンタイプの手袋を買ってもらったことはありませんか。あれが野外スケッチに向いています。

今の時代だったら、スマホ用手袋でも似たような物があるかと思います。

素材ですが。単純にさわってあたたかい毛糸やフリースより、風を通しにくい厚地のものやビニールっぽい表面加工をされたものの方が適しています。

本当に凍えた時、指先から隙間風が入ってくるとどん底まで気分がなえます。

どんなにモフモフの素材でも防風がしっかりしていなかったら、やがてはただの冷たい布と化します。

この手袋の下に、スケッチ作業へ問題がない薄手の発熱素材の手袋をはめるとなおいいです。作業中指先を外した状態でいると、どうしても手の本体も冷えていきます。インナー用に発熱手袋を仕込んでおけば、多少は冷え込みを抑えられます。

防寒よりも防風に重きを置く

防寒というと、その名の通り「暖かい素材の服装で寒さを防ぐこと」と考える方が多いと思います。

実は同じくらい重要なポイントが他に存在します。それは「防風」です。

野外スケッチではある程度長い時間同じ場所にとどまり続けます。冷たい風や空気をどれだけシャットダウンし、体を冷やさずにいられるかがスケッチの快適さにつながります。

私は一時期低山に登るのが好きで、山の講座や関連書籍で服装の研究もしていました。ーーおしゃれのためではなく、凍えない装備をそろえるためです。

実は小学生が遠足で登るような山でも、人って状況によっては低体温症で動けなくなるんですね。汗をかいた体に、予想外に冷たかった山頂の風などが当たるなどして。

野外スケッチの服装においても。温かい素材のものを着る以上に、風や空気を通さない服装をできるかが大事だと思います。いくら温かいからとカシミヤのセーターを一番上に着ても、目の間を風が通り抜ければ凍えてしまいます。

山における重ね着の知識は、「風がすけるのでフリースは外側に着ない」「コードなど上着のファスナーからも意外と風が入る」など野外スケッチにも役立つポイントが色々あります。

厚着のしすぎで汗をかかないよう注意

一方で。あまりガチガチに防寒着で固めると、移動の電車内で汗をかく→外に出た瞬間凍える、なんてことも。

私も考えられる最強の防寒装備で出かけて、現地に着く前の列車内で汗だくになったことがあります

厚手のものを1・2枚だけ着ると、暑くても服装の調整ができません。

薄手のものを多めに用意して、移動時には2枚だけ着る。現地に着いたらさらにもう一枚はおる、と調整できるようにしておくと便利です。

何を着たらいいのか迷ったら、山ショップやアウトドアショップ、ワークマンなどの作業着屋をのぞいてみるとヒントがみつかるかも。いずれも「動く人」向けの服装を揃えています。

冬場であれば、寒い環境で作業する人のための凍えない(かつ汗をかきにくい)服装の取り扱いがあります。また店員さんに相談すれば、服装のアドバイスも受けられます。

野外スケッチの現場におけるアドバイス

服装の準備が万全でも、冬の寒さを完全に防ぐことはできません。

せっかくの野外スケッチで風邪をひいてしまわないように、できるかぎりの対策をお勧めします。

  • 気温が高めでかつ風が穏やかな日を選ぶ
  • 余裕をもって描けるレベルの絵を描く
  • 寒さで手がかじかんできたら撤退する
  • 体を温められるカフェを見つけておく
  • 冷え切った体にはコショウをたっぷり入れたスープが効く

気温が高めでかつ風が穏やかな日を選ぶ

「土日のどちらにスケッチに行こうかな」と迷ったら、天気予報で2つの曜日を比較してみましょう。

気温が高めの日が望ましいのは言うまでもありませんが。できるだけ風がない日を選ぶのもコツです。

風速が1m上がるごとに、体感温度は一度下がる」からです。気温も天気も似たりよったりであれば、風の弱い方を選びましょう。

当日になって予報が変わる場合も。天気はスケッチ予定日の朝にも確認し、天気や風の悪化が見込まれる場合は見送りも検討します。

余裕をもって描けるレベルの絵を描く

冬は年間を通じてスケッチに使える時間がもっとも短い季節となります。

日が短い時期なので日没が早いのはもちろんのこと、気温も低いのであまり長時間外にはいられません。真冬に1時間も外に入れば、手足が寒さでこわばってきます。

そんな冬のスケッチでは、普段よりやさしい難易度のスケッチを心がけましょう。

一枚のスケッチにかける時間も。普段1時間であれば、冬は30分もあれば描けるモチーフや構図を選ぶといった具合です。

冬の寒さは夏の熱中症リスクに比べればましな気もしますが、1時間も外にいれば確実に体調がおかしくなるという点では厄介です。

寒さで血行が悪くなると、腰痛を始めとした関節の痛みの原因にもなります。特に腰痛は回復に時間がかかり、日常生活への影響が大きいので要注意。

余裕のあるスケッチで、なるべく短時間で切り上げるのがポイントです。

寒さで手がかじかんできたら撤退する

いくら手袋で防寒していても。長く外にいる間に少しずつ手が冷えてかじかんできます。

線が思い通りにひけない。ペンを取り落としてしまう。指先の動きがぎこちなくなってきた。こういった症状が出てきたら要注意。

線が固くなってくると、スケッチの表現自体も硬くなってきます。作品のクオリティも下がるし、なによりこれ以上無理をすると風邪をひきます。

指先がかじかんできたかな?と感じたら、撤退の準備を始めましょう。どうしても現場でしか描けない部分を仕上げたら、参考写真を撮ってその場をあとにします。残りは写真を見ながら温かい室内で仕上げましょう。

体を温められるカフェを見つけておく

かなり凍えてしまうと自販機のホットドリンクでは体があまり温まりません。

そんな時に重宝するのが温かい飲み物を片手にゆっくりできるカフェ。チェーン店であれば、スターバックス、ドトール、エクセルシオールカフェあたりが見つけやすいと思います。

次回スケッチに行く場所を決めたら、そこから徒歩圏内のカフェを確認しておくのがおすすめ。凍えてしまった際の緊急退避先になります。

指先まで凍えると、スマホさえ取り落とすような状態になります。

とてもじっくり検索できる状態ではないので、あらかじめ探しておいたほうが無難です。

私も冬スケッチで体が冷えたあとは、よく近所のゴンチャでホットチョコレートを飲んでいました。やけどしそうなほど熱々の状態で提供してくれるので、確実に体が温まります。冬の間はとても重宝しました。

冷え切った体にはコショウをたっぷり入れたスープが効く

体が冷え切ったまま家に帰ってきた時おすすめなのが、コショウをたっぷり入れたスープ。香辛料で体を温めよう大作戦です。

スープのベースはなんでもかまいません。わかめスープやコンソメ、ダシダなどお好みでどうぞ。私個人はクノールのコーンスープに入れることが多いかな。

手早く作れるという意味で粉末スープはおすすめ。体が冷えたままのんびり作っていると風邪をひいてしまうので、さっと作ってすぐ飲みましょう。

コショウを入れる量は特に決まってません。私は粗挽きコショウをスープの表面が黒くなるくらい入れて、また途中で少し追加しています。むせちゃう人はもっと少なくても大丈夫です。

真冬のスケッチ体験:風が吹き荒れるクリスマスのスケッチ

今思うとアホな試みだったと思うのですが。強風の極寒クリスマスイブにスケッチへ出かけたことがあります。

コートの下にダウンを着込み、タイツも重ね履き、口元は厚い毛糸のマフラーでぐるぐる巻き、と考えられる限りの厚着をしてでかけました。

場所は恵比寿ガーデンプレイス。強風の日ではありましたが、クリスマスということでカップルで賑わっていました。

そんな場所で強風に煽られながらひとりスケッチしていた私は、なかなか異様にみえたと思います。顔はマフラーでぐるぐる巻だったし(笑)。

強風の日のスケッチ。良い子は真似しないで下さい

冬の澄み切った空気の中でのスケッチは、他の季節にはない格別なものがあります。チャレンジされる方はまず天気予報をチェック! 暖かくて風のない日を狙ってみてください。風邪をひかないよう、くれぐれもご注意を。

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