作品ギャラリー最終更新 2024年9月25日

デジタルデトックスするなら、退屈せず楽しめるペンスケッチがおすすめ

たまにはスマホを置いて、TVを消して。デジタルから距離を置いた時間を過ごすデジタルデトックス。

けれどもただぼーっとするのもつまらない。デジタルデトックス中、なにをしたらいいのかわからない、という方も多いのでは。

そんな方には自分の五感をフル活用して楽しめる、ペンスケッチがおすすめ。

私自身、スケッチに夢中になってる休日はPCもスマホもほとんどさわらずに終わることがあるくらいです。気分もリフレッシュできて、ストレス解消にもぴったり。

始めるにあたり、特別な道具も必要ありません。この記事を読んですぐ、デジタルデトックスとしてのペンスケッチを楽しめます。

目次

スケッチがデジタルデトックスに適している理由

スケッチでは自分の目で観察し、手を動かして作品を創作します。この一連の動作の繰り返しが心身に集中と落ち着きをもたらします。

スケッチをする際は目の前の対象に意識を向け、各部をつぶさに観察しながら描きます。これは日常生活のことを忘れ、自分と向き合う時間を持つという瞑想的的な効果もあります。

さらに。公園など自然の中で行うスケッチは、新鮮な空気を吸いながら創作活動を楽しむことで心身のリフレッシュにもつながります

ペンスケッチに必要な道具

最近はタブレットやスマホのお絵かきアプリでも絵は描けますが、デジタルデトックスということでアナログの道具を揃えてみましょう。

必要なものはペンと紙、あとは下書き用の鉛筆と消しゴム。必要な人は紙を挟むクリップボード。これくらいです。

ひとまず紙と描くものがあればOK

外で描くなら、紙のサイズはA5がおすすめです。なぜA5かというと、仕事カバンにも楽々入る手頃なサイズであること。このサイズなら絵を描いていても傍からバレにくいこと、などからです。

紙自体は、コピー用紙(A4を半分にしたもの)、お絵かき帳、クロッキー帳など何でもかまいません。家に転がっているなにかの裏紙でもいいくらいです。

旅絵描きの人は食事の席でステージが始まると、とっさの判断でテーブルの上のナプキンに描くことも。描けさえすれば、本当になんでもいいです。

スケッチの基本は観察

スケッチの基本は目で見て観察し、目で見た通りに描く。これに尽きます。

あまり難しく考えず、理科の授業を思い出してみよう

小学校の理科でやった、植物の観察を思い出してみてください。花びらが何枚か、葉脈は何本か、葉の大きさはどれくらいか、などかなり詳しく見みながら描いたと思います。あれと同じです。

つまり、スケッチとは誰でも一度は経験したことがある作業になります。

人って、頭の中にあるイメージで絵を描こうとします。

特に猫やカップなど、よく知ってるものほど見ないで描こうとします。

頭の中のイメージで描くと、観察で描いたスケッチではなく、想像や知識で描いたイラストになってしまいます。

「あそこは右に下がってる」「あの2辺はハの文字に似ている」など、観察したことをそのまま紙の上に再現するようにスケッチしていきましょう。

ここでスマホの写真に撮って、手元で拡大して見たくなるかもしれませんがそこはぐっと我慢。あくまで自分の目で見て、アナログで進めます。

まずは鉛筆で描いて、間違いがないかをチェック。

間違いに気づいたら、消して描き直します。この繰り返しで下書きを仕上げます。問題がなければペンで清書してみましょう。

最初は花一本描くだけでも、30分以上かかるかもしれません。ゆっくり慌てず、時間に追われないこともデジタルデトックスの大事なポイントです。焦らずいきましょう。

ペンスケッチのやり方は3ステップ

ペンスケッチは「構図」「下書き」「清書」の3段階で進めていきます。

まず構図では、鉛筆で “スケッチの設計図”を作ります。描く対象を角度を変えて見てみる、目線の高さを変えてみる、小物の位置を変えてみる、など遊び感覚で楽しんでみましょう。

構図はひとつ作って終わりにせず、複数作ってみましょう。同じ対象でもかまいませんし、主役を変えて別の対象で作っても構いません。

その中で一番気に入ったものを元に、次の下書きへ進みます。

次の「下書き」では、鉛筆を使って構図で入れた線をもっと具体化していきます。間違いに気づいたら消しゴムで消して直せばそれでOK。気負わずやってみましょう♪ 

完璧に仕上げる必要はありませんが、清書の段階で「どの線が正しいのか迷わない」「正確な位置が不明」といった問題が起こらない段階までは仕上げておきます。

最後の「清書」では、下書きの線を参考にペンで描いていきます。

ペンスケッチはあくまで描画なので、文字を書くときとは違うやり方をします。

少し力を抜いて、ゆっくりペンを動かしてみてください。その結果、線にかすかなゆらぎが生まれます。これが手描きの味になります。

下書きの線を迷った時の参考にしつつ、スケッチする実物を見ながら描きます。

単に下書き線をなぞると、機械で描いた線のように固くなり、味がなくなります。

下書きは「なぞり描き」するものではありません。あくまで「参考のための目印」です。

最初からうまくはできないかもしれません。何度か繰り返すうちに、上手に形をつかめるようになってきます。この「上手にできた!」というスッキリ感も、デジタルデトックスとしてのペンスケッチの楽しみです。

一番のおすすめは野外スケッチ。全身で季節を感じよう

公園のベンチで、スマホも見ずに木や空を眺めて時間を過ごしたのはいつのことでしたか。

おそらくかなり以前のことではないでしょうか。

子どもの頃はよく見上げていた空。見なくなったのはいつからだろう?

私自身も最近忙しくてそのような時間をあまり持てていないのですが。ある年の秋、毎日のようにスケッチをしに公園へ通ったことがあります。

すると、毎日少しずつ季節が動いているというのが肌感覚でわかるんですね。たった2、3日日が空いてしまっただけで、木も花も確実に変化している。季節が流れている。少し焦りを覚えて、紅葉した木々をスケッチしていました。

世界の存在を意識する、と言ったらいいのでしょうか。

私はせわしない生活に追われているけれど、その外で世界はまわっている、季節は止まることなく変化している。そのような実感を強く持ちました。

おそらくこうした感覚は、子どもの頃誰しもが持っていたものではないでしょうか。

けれども大人になって日々の仕事に追われたり、ネット世界の情報の海をさまよううちに忘れてしまった。デジタルデトックスとしてのペンスケッチは、そんな人が本来持っていた感性を目覚めさせる場でもあると思います

スケッチは屋内でも楽しめる趣味ですが、自分の五感をより目覚めさせたい場合には屋外でのスケッチ:野外スケッチをおすすめします。

ゆっくり時間をかけて世界と向き合うことで、これまで気付けなかったこと、見えなかったものを意識できるかもしれません。

迷ったら、こんなものを描いてみよう

あまり絵の経験がない初心者さんだと、「そもそもなに描いたらいいの??」と迷われると思います。

そこで室内と屋外それぞれの場面から、描いておもしろそうなものをリストアップしてみました。

室内は家具や家電がおもしろい

スケッチをする時は、なにかひとつ描くのではなくて。脇役としてサブモチーフをいくつか入れてあげると雰囲気が出ます。

これは室内でも同じ。家具や家電を描くなら、そのまわりにあるもの(カップやタオルなど)も入れてあげると雰囲気が出ます。

描きながら、家電や家具に対して「いつもありがとう!」という思いがこみ上げてきました。

なれないうちはたくさん描くものがあると大変。まずは1つか2つ、サブモチーフを入れてみてください。

他にも
・並んでいる調味料
・本棚の本
・机の上
・お風呂場
・掃除機
・トイレ

など描いておもしろいと思います。

屋外では信号や水飲み場がおすすめ

屋外の方が空間に広がりがある分、ペンスケッチを難しく感じるかもしれません。

そんなときは、少ないパーツで構成されているものを探してみましょう。たとえば、こんなものがあります。

・信号
・郵便ポスト
・水飲み場
・看板

など、比較的描きやすいです。

描くものに迷ったら、食べたもの日記もあり

自分で描くものを探してみたけど、なかなかいいものが見つからない。

そんな時は今日食べたものを描いてみましょう。お昼に食べたお弁当、お店のランチセット、3時のおやつに食べたケーキ、自炊で作った夕飯、など。

食べるものは毎回内容が変わります。飽きがこないという点でもおすすめです。

おいしいものは描いても楽しい

初心者さん向けには、シンプルなモチーフがおすすめ

自分でスケッチの難易度を見極めるには、描きたいものがいくつのパーツから構成されているか数えます。

図の例の場合。椅子の構成パーツは、背もたれ、座面、足x4の合計6つです。

一方、カップはボディと取手、受け皿の3パーツで構成されています。この場合、パーツ数が少ないカップの方が簡単に描けるという判断になります。

スケッチでは主役を決めて、脇役(サブ)をいくつか配置することもあります。よくある風景画では、洋館が主役、そばにある木や柵などがサブといった具合です。

この脇役もパーツ数と同様に、数が少ないほどスケッチの難易度が下がります

最初は主役1に対して、サブ1つまたは2つを配置するところからチャレンジしてみてください。あまり難しいものに挑戦してしまうと大変さが勝り、デジタルデトックスとしての効果も薄れてしまいます。

まずはやってみよう。感じてみよう

正直最初は、めんどくさいと思います。

実際スケッチには集中力が必要なので、精神力を消耗してちょっと疲れることも。

でもいざやってみると、不思議と病みつきになるんですよね。これがまた。スケッチを通じて見慣れた世界を捉え直すと様々な発見があります。

ぜひ一度、だまされたと思って試してみませんか。外で描くなら、よく晴れた気持ちのいい風が吹いている日がおすすめです。買い物帰りや休日の散歩のついでなど、なにかのついでで気軽にトライしてみてください。

これまで気づかなかった、この世界の魅力をきっと感じられるはず。

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